星音

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【秋風】

少し前までは、温かい風だったのに、いつの間にやら冷たい風に変わった。
寒がりの私には、涼しいどころか寒いぐらいだ。
早く帰ろうと、足早に駅に向かう途中、金木犀の香りが漂ってきた。
だが、駅の周辺には金木犀の木はない。

(そういえば、この近くの公園に金木犀があったような…)

もう少しだけ寄り道をしてから帰ろう。そう思った私は公園へと向かった。
公園には、案の定大きな金木犀が中央に聳え立ち、オレンジ色の小さく可憐な花を沢山咲かせていた。
ゆっくりと歩いて近寄り、そのほんのり甘く優しい香りを堪能する。

「やっぱり好きだなぁ、この香り」

癒やさながら、そんな独り言を呟いた。
すると、後ろから

「相変わらず好きだな、金木犀が…。」
と話しかけられた。
慌てて振り向くと、そこにはこの春から遠距離になってしまった彼氏がいた。

「なんでここにいるの!?」

私は驚きと喜びで、彼氏に詰め寄った。

「ちょうど今戻ってきたんだよ。もしかしたら、ここにいるかもって思って、来たら案の定だ。」
「な、なら連絡してくれれば……」
「サプライズだよ。驚いた?」

彼は少しいたずらっぽく笑いながら言う。

「うん……。でも、会えて嬉しい。」
「俺も会いたかったよ」
そう言って、彼は私を抱きしめた。


創作

10/23/2025, 5:22:41 AM