キンモクセイ秋を感じるひとり旅へ出かける。公園は山吹色に輝く銀杏並木に枯葉の絨毯。暖色に染る景色に安らいでいると、不意に甘くてさっぱりした香りに誘われた。彼女は僕なんかには目もくれず目の前を去っていった。ほんの一瞬。一瞬だったけど、とても印象に残る香り。学生の時分に僕が焦がれたあの子も同じ香りを纏っていた。キンモクセイ。それは"初恋"の香りだった。
11/4/2025, 10:48:54 AM