あの子は可愛い
あの子は美人
あの子は運動が出来る
あの子は勉強が出来る
あの子が羨ましい
そう思って周りが見えなくなった
「あの子」しか見えなくなった
あの子を鏡にして
あの子はこのトリートメント使ってるから
あの子はこの日焼け止め塗ってるから
あの子はこの靴履いてるから
あの子はこの辞書使ってるから
中身は真似しないで鏡で見える範囲だけ真似した
どうやってもあの子に慣れないのに真似真似真似
何時しか自分が何が好きだったかも分からなくなって
家族も見えなくなって
もう私はあの子しか分からない
なのにいつまでたっても不安が残る
鏡は悪くない
映った私が悪いのだから
もう見るのはやめよう
目じゃなくて耳を使いたい
8/18/2024, 10:54:29 AM