フェルメールブルーの朝霧。
滲む街灯が星屑のように輝いている。
雨後の湿り気を帯びた空気が風に乗り、ベランダに立てられたカラフルなウインドスピナーがカラリと回った。
真綿のような厚い雲が風に流され解されて、掻き消えていき、明けの明星が煌めく瑠璃色の空が顕になる。
遠くの空が白く透けていき、やがて桃色のような橙色のような檸檬色のような、複雑怪奇な色に染まっていった。
その頃には、新聞配達のバイクの音や会社へ向かう人の足音、電車の走行音等が微かに聞こえてくる。
降り注ぐ眩い白に、自然と笑みが溢れた。
朝が来た。
また、新しい一日が始まる。
テーマ「朝日の温もり」
6/9/2023, 7:23:05 PM