在葉

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世界の終わりに君と


「寿司食いたい。回る寿司」
 19日前に予告された世界の終わりは、次の0時頃だそうだ。友達、親友,ソウルフレンド、この世の言葉では表現し難い関係である人間に希望すれば、「まだ回ってんのかな?」と。
 はたして、回っていなかった。
「え、でも店開いてんね」
「仕事ラブの人とか結構まだ働いてるよね」
「お前も昨日出勤してたじゃん」
「まあね」
 何度か来たことのあるチェーン店の、店員ふたりが、ラッシャセー! と迎えてくれた。回ってはないが、使える素材手に入れられた素材で寿司を作っているという。
「寿司好きが作る寿司は格別だね」
「ほんとそれ」
 他愛のない話をしながら寿司を食い、金を払い、食った食ったと店をでて、ふと、思いつく。
「来世で会った時の合言葉は、最後に食べたネタにしよう」
「おっけ。でももしかしたら、魂が合わさって、1人として生まれるかもよ」
「その時はその時」
「うい。じゃ、また明日」
「おう。また明日」

6/8/2023, 7:21:30 AM