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凍傷も火傷も同じ事だと
確か母が言っていた
ぐずついてどろどろになるか
とどこおってぼろぼろになるか
気を付けなさいと言っていた
どちらも深くは死んでしまうと
確か母が言っていた
頭を抱えてうずくまる
腹を抱えてうずくまる
少しは風が凌げそうで
少しは静かな夜だった
この身体が凍ったとて
この身体が焼けたとて
きっとこの子は生き延びる
だって母が言っていた
私をそう生んだ母が言った
腹に当てた指は白く
熱いか冷たいかも分からない
それでも私はこの子に言う
生き延びろとこの子に言う
この身体を壁として
この身体を餌として
生き延びろと私は言う
私もそうして生きていた

‹凍える指先›


白い道を駆けていく
果てなく果てなく駆けていく
白い原を翔けていく
果てなく果てなく翔けていく
白い心を懸けていく
果てなく果てなく懸けていく
白い祈りを掛けている
果てあるように掛けている
この地にいつか花咲くよう
白く白くかけている

‹雪原の先へ›


ふわりと白がくゆって消える
そっと身を屈め耳澄ます
囁きにも満たない息が
静かに熱を染めるだけ

ふわりと白がくゆって消える
そっと抱き上げ耳澄ます
微風にも満たない息が
静かに肌を撫でるだけ

‹白い吐息›


昼間に灯す意味は無いと
消された導に惑って消えた
見上げる事に意味は無いと
消された神話に学ばず消えた
大事に持ち続ける意味は無いと
消された優しさに零れて消えた
絶望の中で意味は無いと
消された希望に閉ざされ消えた
此処までおいでと誘うのに
とびきり良いもので照らすのに
みんなみんな消されて消えた
誰かの悪意に消されて消えた

‹消えない灯り›

12/10/2025, 9:39:52 AM