私には夢がなかった。
楽観からの落ち着き故か「大人っぽいね」とよく評され、
なんとなく生きていたが、社会人になって思い知った。
「大人」なんてものは「子供」の延長線だ。
成人しているだけの大人。
大人ぶっているだけの大人。
子供だと思われたくない大人。
所詮はエスカレーター式に自動的に得られる称号だ。
結局は私も、嫌々社会に迎合するだけの未熟者だった。
私の思う大人はもっと格好良かったはずだ。
上手くいけば誉めてくれ、
失敗すれば手本を示し、
道を外しかければ優しく叱ってくれる。
そんな道標のような人間だ。
もっと早く気が付けばよかった。
私の夢は「大人になること」だったんだ。
~子供のままで~
5/12/2023, 5:42:54 PM