【ただ君だけが、気づかない】
私には、どうしてもいないといけない君がいる。
居てくれないと私はてんでダメ。
何をやっても君に勝てなくて、いつも君の下に私はいる。
どうして張り合うのか、人に聞かれた。
だから私は答えた。
「だって、私はあの人より弱いんだって覚えさせなきゃ、あの人は私を同格に見てくるんだよ?同格は嫌じゃない。嫌じゃないけど私、あの人には弱くて小さくて愚かで、あの人だけのモノとして見てもらいたいんだ。……本人には内緒だよ?」
⸺指輪についた宝石が、時折不思議に光る意味に気づかずに。
5/13/2025, 1:24:47 AM