昼顔

Open App

陸と海の境界線。
波が寄せる浜辺を、サンダルを片手に持ち進んでゆく。
何も履いていない足に波がゆったりと当たり、冷たい感触が心地良さをくすぐる。
水平線の向こうには、赤く燃える太陽がゆっくりと1日の終わりを迎えている。最後に差し込む光線までもが、まるで燃えているかのようだ。
きっと、この足では辿り着けない。
何故そう思ったのか、答えは永遠に分からないのだろう。
沈みゆく太陽を背に、空腹を訴える腹を擦りながら家路に着く。
素足はすっかり砂にまみれていた。


「お題 素足のままで」#19

8/26/2025, 11:40:20 AM