「いっつも一緒にいるよね、好きなの?」
何百回と聞かれた質問。好きな訳ねぇだろばーか。家が隣で、保育園の頃からずっと一緒。親も仲が良くて、趣味も合う。たまたま性別が男女だっただけ。
「好きな訳ないでしょ。楽しいとは思うけど」
「えーそれ好きなんじゃないの〜?」
うるせぇお前に何がわかるんだ。そう言いたいのをぐっと堪える。腐れ縁だって言ってもきっと信じて貰えないんだろう。
「じゃあ嫌いなの?」
「嫌い……嫌いだったら一緒にいないよ」
「じゃあ好きじゃん!」
「……0か100しかないの?」
好きでも嫌いでもない。そんな言葉じゃ言い表せないくらい。もしアイツがいなかったら、って思うと、……思う、と、
「…………やっぱ好きかも」
「え?!遂に認めた?!」
「恋愛の好きじゃないにしても、アイツの事は好き」
「……ふーん…?恋愛の好きじゃない、ねぇ……」
「…………にやにやして何」
「その内気づく時がくると思うわ」
…アイツの事考えて、どきどきしてる心は見て見ぬふりをした。
『好き嫌い』
6/12/2024, 10:34:55 AM