スリル
(あ~ぁ 何で 私は、此処にいるんだろう....)
あの時 見栄を張らなければ 私の体は、
今地面に 付いていると言うのに....
帰りたい 帰りたい 今すぐ 10分前の
私を殴り飛ばして 無かった事にしたい
発車を 告げる アナウンスが流れる。
ゆっくりと 進んで行く 上り坂を上がって行き 心の準備をする様に
心臓が 早鐘を打つ 下り坂に差し掛かり
スピードが 上がって行く
もうダメだ...
思った通り スピードが 加速して行く
レールの上を 急上昇 急降下して行く
体が浮き上がり 振り落とされる
感覚が 強くなる。
重力のGが掛かる。
私の顔は、青くなり 涙目になる。
そして、しばらくして 地獄の
日々は、終わった。
「おい 大丈夫か?」
私の手を包む 大きな手がある
私は、震えながら自分の横を見る。
「だから やめとけって言ったんだ
お前 昔から 絶叫系苦手だろ!」
「だって 私だけ 下で待ってるの
淋しいじゃん!」
涙ながらに 昔馴染みの 幼馴染みに
訴える。
私の 弱味を唯一知る幼馴染みは、
こうなる事も読んでいたらしい...
足をガクガクさせて フラフラになって
ジェットコースターから 降りた私を
幼馴染みは、呆れた ため息を吐きながら
見ていた。
他の友逹も 待たせている為 止まってる
訳には、行かない
私が歩き出そうとした時
幼馴染みが 私の腕をグイっと引っ張る。
「悪い 俺ら 抜けるわ!」
「え! ちょ ちょっとま、...」
私の言葉を遮る様に 幼馴染みは、
どんどん先に行ってしまう...
抗議しようと思ったが...
ふと見ると 幼馴染みの頬が ほんのりと
赤かった。
それを見ると私は、何も言え無くなり...
二人で 手を繋いで 家路へと帰った。
11/12/2023, 12:05:14 PM