高く、高く、風船を飛ばしていく。ふっ、と手から離した風船が、青い空へと吸い込まれるように、なんの曇りもなく、澄みきって飛んでいく。あの風船についた糸に、この地上でつながる誰かをもとめて。誰かに、心が届くように。きっと心のやさしい誰かが、自らの手元に吸い込むように手繰りよせて、やさしく見えない糸がこの世界につながる。そんな世界をずっと昔から夢見ていて、いまそれを想い出す、
10/14/2022, 2:40:29 PM