『願いが一つ叶うならば』
家に帰った瞬間。ここが悲惨な現場に
なっているなんて誰が予想出来ただろうか。
休み明けの出勤日。
ゴミ出しも忘れず仕事もこなせて順調なスタートを切れた。
家に帰れば愛しのわんちゃんがお出迎えして
一緒にご飯を食べてのんびりするというのが理想だった。
なのに家に帰ってもわんちゃんは顔を出さない。
いつもと違う。そんな違和感を覚えて
恐る恐る廊下を歩いてわんちゃんを探す。
台所でわんちゃんの背中を見つけた時は安堵した。
そのまま歩いていくと、全てを理解した。
棚の鍵を閉め忘れていたようで、
中身をわんちゃんがぶちまけていた。
あぁ、神様。今願いをひとつ叶うなら...
朝の自分に戸締りをチェックするよう言ってください。
しょんぼりしているわんちゃんを怒るに怒れない私は
すぐさま片付けることにした。
語り部シルヴァ
3/10/2025, 11:08:17 AM