長月より

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早苗「お月さんなんぼ 十三、九つ」

翔吾「なんだそれ」

早苗「そういう歌だよ。国語の先生から教わった」

翔吾「ほーん」

早苗「なんでもはないちもんめみたいに割りとあちこちである歌みたいなんだ。ショーゴくんは知っていたかい?」

翔吾「知らねえな」

早苗「そうか。知らないのか。君は若いなあ!」

翔吾「同い年だろうが」

早苗「そうだね。同い年だね。しかし若い。若すぎる。ちょっと君は今夜月を見て趣を感じながら願い事をそらんじてみたらいいんじゃないか? そうだな。それがいい」

翔吾「そらんじるの使い方間違ってねえか? あと話が急だな」

早苗「誤用かどうかは僕が決めるので気にしなくいでくれ。そして急でもなんでもない。国語の先生に話を聞いたときからそう思っていたんだ」

翔吾「俺は聞いてねえしお前の思惑は今知ったばっかだっての」

早苗「まあ、まあ、まあ。いいじゃないか。とにかく今夜月に願掛けをしようじゃないか。きっと君の事だから自分で叶えるというかもしれないけれど、風流なことというのはいつやっても良いものだからな。やってみようじゃないか!」

5/26/2023, 11:20:41 AM