「終わった……」
ぐったり。
家に帰ると、ソファに脱力して座る。
今日は時々ある隊員が少ないのに、患者がひっきりなしに来る日だった。
そう、つまりはとんでもなく忙しい日だ!!!
「ちかれた〜……」
声すらも力をなくしているけれど、疲れたという言葉だけは溢れ出る。
「お疲れ様です」
俺の頭を優しく撫でながら、手作りしてくれたクリームソーダを持ってきてくれた。
「疲労回復にクリームソーダです!」
そう言って俺の手にバニラアイスが輝くクリームソーダを渡してくれる。
シュワシュワのメロンソーダにうさ耳っぽい型を取った小さいチョコレートをバニラアイスに二つ挿してくれていた。
「アイスがうさぎぃ……」
「可愛いですよね」
「ありがとぉう……」
「本当にお疲れだ」
彼女が作ってくれたクリームソーダは甘さがちょうど良くて炭酸が喉に心地いい。
彼女は俺のクリームソーダにのっているアイスをスプーンですくって俺に向けた。その笑顔は慈しみが込められていて、愛しさが身体全体に染み渡る。
「はい、あーん」
ああ、どうやら今日は全力で甘やかしてくれるみたい。
俺はそのまま口を開けると、優しくスプーンが口に入る。そうすると濃厚なバニラが口に広がった。
「とろける〜」
相当だらしのない顔をしていたみたいで、彼女はくすくすと笑ってくれる。
「明日のシフトは?」
「普通ですぅ〜」
「じゃあ早く寝なきゃ、だ」
「うんん……」
正直、もう眠くて気を抜いたら眠ってしまいそうだった。
「なら、早くお風呂に入って休んでくださいね」
頑張って頷く。身体は睡魔に身を任せようとしてくるけれど、なんとか奮い立たせる。
「はい、頑張ってくださいね」
今日は終わるけれど、また明日が始まる。
その隣に彼女がいてくれるなら、俺はまた頑張れるよ。
おわり
三〇〇、終わり、また始まる、
3/12/2025, 2:03:45 PM