ママにはナイショだぞ。
そう言って、パパはよく僕にお菓子やおもちゃをくれた。
でも、パパのやることは全部、ママにはお見通しで。
僕が自分の部屋に寝に行った後、パパはママによく怒られていた。
階下からパパが謝る声がして、僕はベッドの中でクスクス笑いながら眠りにつく。
パパはママに怒られても、僕に何かしらの物をくれた。
ママにはナイショだぞ、と言って。
今日は、不思議な味のするお菓子をくれた。
遠い遠い海の向こうのお菓子らしい。
食べたことない、よくわからない味。
変な顔になっていたのか、僕の表情を見たパパはカラカラと笑う。
ムッとして、頬を膨らまして僕はパパを見上げた。
パパは悪戯っ子のような笑みを浮かべながら、僕の頭を大きな掌でワシャワシャっと撫でた。
テーマ「子供の頃は」
6/23/2024, 4:49:21 PM