キラキラと輝く道をサクリサクリと進めば、向こうで元気に手を振っている二人が見えた。真っ青な晴天と真っ白な雪道、そしてこの時期にしては比較的暖かな陽光が降り注ぐ中、僕達は卒業する。
冬晴れは
麻からできた水色の生地には白い染料で井型と丸模様が大きく描かれている。
六年間着続けたこの制服も今日で着納め。
ところどころが薄汚れたり擦り切れたりしているが、今この瞬間だけは一年生として入学したあの時のようにとてもとても綺麗に見えた。
ここを卒業すれば長く寝食を共に過ごした仲間達とは別れ、違う城で違う制服を着て、違う仕事をする日々が待っている。
入学した当時、井型模様の派手な制服は自分達の学年だけで何をやるにもその派手さが邪魔をするから、闇に紛れやすい他学年の制服をよく、羨んだものだった。
一学年上がるたびに辞めていくクラスメイト。
各学年、数人しか残っていなかった上級生。
癒える前に傷ついていく身体と現実に追いつかない心を持てあませば、仲間同士で慰め励まし笑い、時には朝までみんなで共に過ごして先生方に叱られたりもした。
その甲斐あってか、自分達の学年は記憶にある上級生の人数より片手分ほど多く残った。
学園中が卒業を祝い、在校生や職員がひっきりなしに卒業生に挨拶して回ればやがて拡声器で学園長からの挨拶がはじまっ…
冬晴れは、酷く優しい
…眠たくなったので今日はここまで。おやすみなさい
1/5/2024, 4:50:51 PM