一人で背負い続けてきた重荷を下ろせる日がきた。
弱音も吐かずがむしゃらに前に進んできた。
生まれながらに、自らは異質だと本能的に気づいていた。
言葉にする能力には恵まれず
疎外感に苛まれ孤独が深まるだけ。
心の奥に積み上がる負の感情は己を蝕む。
他の兄弟達のように、母に甘えることさえ許されない。
ありのままの自分は受け入れられず、
人の前では「良い人」の仮面を被り素顔を隠す。
それでよかった。
蝕む傷が一つでも減るのなら。
そんな時に出会った一冊の小説。
非日常への案内が、昏く淀んだ視界をクリアにし
静かな夜明けとなった。
その小説との出会いは
「好きなものを好き」だと
「嫌いなら嫌い」だと言って良いのだと
初めて教えてもらった気がした。
4/29/2025, 4:04:52 AM