「青い目なんですね。」
そう言われて振り返ると、彼女にまじまじと見つめられた。
「空のような青。水色っていうより、青空色ですね!」
ふんふん、と鼻息を荒くしても可愛いと思ってしまう俺は、そうとう首っ丈なんだと自覚する。
「俺の目が空なら、お前の目はなんだ?」
「……葉っぱ?」
「安直だな。」
ぷーっと口を膨らませる彼女が可愛くて可愛くて、ついニヤけてしまう顔を見られないよう、彼女の頭をがしがしと撫でて誤魔化す。
「もう!子供扱いしないでください!」
彼女の抗議も可愛い。なんでこんなに可愛い。
どこにも見せたくないと思うのは、俺の贔屓目なんだろうか。
——————
彼の目は綺麗だ。
でもふとした瞬間、ふと吸い込まれるような感覚になる。動けず、逃げられず、でも、居心地はいい。
そんな不思議な感覚に。
【青く深く】
6/30/2025, 7:41:40 AM