雫は、零れ落ちた瞬間にだけ確かな形を持つ。指先で受け止めようとした途端、ただの冷たさに変わってしまう。言葉にできなかった想いも、きっとそれによく似ている。胸の奥で揺れているうちは綺麗なのに、外へ出せば輪郭を失う。雨上がりの窓に残る一粒だけが、妙に孤独を知っているようだった。誰にも気づかれず落ちて、静かに地面へ溶けていく。それでも次の朝には、何事もなかったように光を映している。雫とは、儚さなのかもしれない。
4/21/2026, 5:16:41 PM