勿忘草🌿

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「ねっ、素敵でしょ?」
若い女性がそう言う。
年齢は…二十代くらいだろうか。
まるで、小動物のような愛らしい顔をしている女性だ。
だが、顔に似合わず以外と強引で、かれこれ1時間は話を聞いている。
彼女が言うことを簡単に言うと、亡くなった人にもう一度会える方法がある。という、ことだった。
つい最近、妻を亡くした身からすると、その話は喉から手が出るほどのものだった。
もう一度妻に会いたい、またあの笑顔を見せてほしい
その一心で契約書にサインをし、多くの人と灯火を囲んだ。
気がつくと目の前には、苦しそうな女性がいた。
私に「どうして呼んだの」と辛そうな声を出す女性…
思い出せない、どうして灯火を囲んでいるのか、ただ何かを失ったことだけが自分の中にある。
私は、誰に会いたかったのだろう?

11/8/2025, 4:34:33 AM