寝不足で倦怠が蔓延る脳と体を無理に起動させ、寝床から何とか起き出す。
窓際のカーテンを開けると、朝の日差しと空気が部屋に差し込み、室内が明るくなる。
眼下には動き出した日常があり、通勤や通学中の大人や学生が歩道を歩いている。
朝の挨拶や他愛ない会話、車や自転車の走行音が聞こえる。
彼らにとって普通の一日が、これから始まるのだろう。
「……っ!」
涙が溢れてきて、カーテンを雑に占める。
太陽の光が遮られ、暗闇が部屋に戻る。
その事にホッとして、だけど安堵した自分がまた情けなくて、どんどん涙が溢れる。
涙の訳は、どうして自分は普通でいられないのだろうか、と。
どうして、自分には当たり前が当たり前でないんだろう。
ポトポトと涙が止まらず、そんな自分を隠してしまいたくて、カーテンに包まって嗚咽を溢した。
10/12/2024, 5:56:54 AM