彼岸花

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#鳥のように

逃げ出したかった。

鳥籠から出た鳥のように、自由に。

この退屈な日常は、

まるで牢獄の中にいるみたいで。

冷たい場所でただ一人

声も発せず顔を埋める。

そんな僕を連れ出してくれたのは、

君だった。

炎天下、雨の中、嵐でさえも立ち向かっていく

君はこう言った。

“君は飛べないんじゃない。

飛べないと思い込んでるだけだ”と

君の言動に、背中を押されたんだ。

暗い夜、僕は牢獄を抜け出した。

できるだけ遠くに

もう囚われないように。

自分の翼を精一杯動かして。

ついに大きな崖の上へとたどり着いた。

見上げた空に、星がひとつ。

朝日が頭を出した時、

朝の空に二人の鳥が飛んでいた。

8/21/2024, 11:15:26 AM