「何をあげようかな」
明日は貴方の誕生日。何をあげたとしても貴方の喜ぶ顔が浮かんでしまって尚更わからなくなる。贅沢で切実な悩みだ。
目を走らせると白く眩しい程ライトアップされた商品の数々が陳列されている。照らされて初めて輝くなんて、私のようでなんだか落ち着かない。
地に足が着かない様な心地と共に、考えは浮かんでは消えてを繰り返す。
私は暗闇の中でも輝けるような、誰よりも私を照らしている彼にも光を与えてくれるような物を贈りたいのに。
ふと顔を上げると、視界の隅で何かが光ったような気がした。見失わないように駆け寄ると繊細で小さく、それでいてしっかりとしたネクタイピンがキラキラと瞬いていた。確かネクタイピンを贈る意味は、
「貴方を支えます」
『あなたへの贈り物』
1/23/2025, 7:03:59 AM