初心者太郎

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—歩み寄る正義—

最近、この町では詐欺が多発している。学校や銀行等でも注意喚起がされているが、被害が後を絶たない。

「そこの貴方、モデルやりませんか?」
「僕ですか?」

私は黒い背広の男性に肩を叩かれ、呼び止められた。彼の腕にはめられた金色の腕時計が輝いている。

「はい!私はこういう者でございます」

差し出された名刺を受け取った。
彼はアパレルメーカーに勤めており、新作のスーツを着せるモデルを探していると言う。

「貴方なら絶対に似合うと思います!最初は少し登録料がかかるのですが、後でしっかり謝礼はお渡ししますので、是非お願いします」
「へぇ、面白そうですね。やってみようかなぁ……」

彼は笑顔を見せたが、その奥には何か別の気持ちが隠されているように見えた。

「ありがとうございます!それでしたら、名刺に記載している番号に、ご都合の良い時に連絡してください。では失礼します」
「ええ、こちらこそありがとうございます」

スカウトマンは去っていった。
私は彼に気づかれないように着いていきながら、ある場所に無線で連絡した。

「本部、こちら川上。詐欺関係者らしき人物を発見。これより尾行を開始します」

「了解」と短い返事だけが返って来た。

そして、数日後。
詐欺グループの数人が逮捕された。

お題:そして、

10/31/2025, 9:00:27 AM