NoName

Open App

窓から差し込み、室内を照らす秋の陽射し。時が経つにつれて静かに移動し、猫の寝顔を横切り、飲みかけて忘れ去られたコーヒーをほんの少しだけ温める。生きることに絶望している私の脳裏に、「希望」という文字が唐突に薄らと浮かぶ。光に照らされた猫の和毛を撫でてみる。いつものように柔らかい。もしかすると絶望も悪くないのかも、と思い直す。ひょっとすると生きるのに理由なんて必要じゃないのかも。とりあえず、まずはコーヒーをちゃんと淹れ直す為に、立ち上がろうか。

10/16/2022, 12:39:06 PM