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世界に一つだけの、足があった。
もちろん、世間には二対の足を持つ生き物が多く存在することから、その生き物は、和名・カタアシイモツブシと名付けられた。
見つかった個体は、その一頭だけであった。
カタアシイモツブシの生態は以下の通りである。
イモツブシの名の通り、地に根を張った球根類や、芋類を主食とする。マレーシア南部の密林に生息。
頭部は非常にデカく、足と比べてバランスが悪いのが特徴。
芋を潰す際は、ガンガンと頭をぶつけるように、要はキツツキの如く、頭を前後にスライドさせ穴を掘る。
全長二メートル。体毛は白。それだけ見るなら、大変美しい。
繁殖をどのように行うかは未だ謎であるが、現地の老人からは、数点の目撃例が上がっており、複数の個体が、存在する。または、していたと考えられる。
マレーシアの伝承には、カタアシイモツブシが、赤子を盗んだとの言い伝えが残っていることから、マレー語では、『子供攫い』の異名で知られる。
カタアシイモツブシは、哺乳類であるが、その生態の多くは謎に包まれている。

9/9/2023, 10:25:53 AM