信号待ちをする僕の目の前を、若い女性が軽やかに通り過ぎていく。仕事中なのだろう、きれいなオフィスカジュアルに、ヒールの靴を履いている。その時、ふわっとした風が、僕と彼女の間を吹き抜けた。「これは…。」僕は思わずハッとした。この香りは、ゆいがつけていた香水の匂いだ。僕の頭は、あっという間に2人で過ごした日々にタイムスリップした。【香水】
8/31/2023, 10:04:06 AM