麦わら帽子を抑え、海を見る。
きっとこの夏が一生続くんだろうと、そう思った。
この青い、蒼い海が、必ずぼくらを繋ぎ止めてくれる。
そう信じて。
「ねえ、本当にいいの」
いきなり不安そうに聞いてくる。
「もちろん。ぼくが君を嫌いになるわけがないじゃないか」
「やさしいねぇ。……ありがとう」
「…………もし海が嫌いになったらどうする?」
「え?」
「絶対にいつも好きってわけにもいかないからね」
「……嫌いにはなりたくないし、ならないと思うけど…」
「うん」
「そのときは、ロックなギターでも弾いとけばいいんじゃない?」
「なはは、それ最高」
夏の湿ったい風も、それに吹かれる麦わら帽子の君も、好きになった。
君の奏でる音楽は、ぼくの心を揺るがした。
「たまには一緒に歌おうよ」と言われても、「いや、君の歌が聴きたい」と言い続けた。ぼくが君の音楽を壊すことになりでもしたら、2度と顔向けできないから。
男は歌が好きで、可愛い物好きな面があり、頭の硬い周りから「女みたい」と言われてきた。
女は男の歌が好きで、一人称を「ぼく」にして男のように生きてきた。
そんな色濃い2人が出会ったのはまさに運命。
かの有名なベートーヴェンもびっくりするほどの、小さな奇跡。
一生続く夏を大切にしようと誓った。
「君が好きだと叫びたい……」
「え?歌えって?」
「そうじゃなくて」
「………でも歌って?」
「いいよ」
フッと微笑んだ"彼女"が、綺麗で仕方なかった。
#2024.8.11,12.「君の奏でる音楽」「麦わら帽子」
こないだおじいちゃん?がスカート履いてて「貴様も能力を解放したか……」とか思ってたら、よくよく見て「オバアチャンヤン……汗」ってなりました。
ゲーセン行ったんですが、うまい棒の詰め合わせ二袋分を300円か400円くらいくらいで取りました。超嬉しかったな、食べる気はなかったけど。
8/12/2024, 10:49:32 PM