「Ring Ring...」
Ring Ring...
静かな部屋の隅で、まるで私に構って欲しいかのように
鳴り、今の私の心境をフル無視してなり続ける。
正直、あまり気は乗らない。が、もしかしたら
私を救ってくれる王子様が掛けてきたのかもしれない。
そう心の隅で変な幻想を抱きながら受話器を取った
____つもりだった。
受話器は触られさえせず、Ring Ringという音はもう
聞こえなくなっていた。
自分から切ったのか、それとも相手が切ったのか。
検討もつかないが、これで良かったのではないだろうか
そもそも、なんでこんな気分の悪いときに電話を
掛けてくるのだ。こっちにもこっちの事情がある。
仕事だったら生きるため嫌々してる訳だし。
仕事の電話だったらこんな時に掛けてこないで欲しい。
しかも、本当にあの受話器を取って仕事だったときの
ダメージがキツイ。
王子様でも助けにきてくれるのかと思いながら取ると
60代くらいのおっさんが出るのは流石に反吐が出る。
そうだ、シュレディンガーの電話にでもしとこう。
そしたら本当にあの受話器の先が王子様だったかも
しれないと妄想し放題だ。
そんなこんなで私の家のRing Ring ...は
シュレディンガーになりました☆
1/8/2025, 12:29:14 PM