人生の雫
生まれてから今日のこの日まで、雫を一滴ずつ溜めてきた。
楽しかった日の明るく輝く黄色い雫、
感動し心があたたまったあの日のピンク色の雫、
初めての経験に胸を躍らせた黄緑色の雫。
その一粒一粒はとても綺麗で、いつでも思い出したい尊い光をまとっている。
でも、それだけじゃない。
涙にうちひしがれたあの日の悔しい赤色の雫。
挫折を知り、孤独に追い込まれた灰色の雫。
過去を悔やみ、現実から逃れたかった深い青の雫。
時に、なかったものとして密かに心にしまい、恥じてしまうような気持ちにもなるかもしれない。
だけど、すべての一粒一粒の雫が少しずつ溜まった私だけのコップの中の水は、他の誰にも出せない本当に深く、綺麗な色をしている。
もし今、その色が少し暗くにごってしまっていても、これから一粒一粒明るい雫を溜めていけばいい。
いつか、自分だけの色に辿り着けるだろう。
4/22/2024, 8:17:28 AM