『好き嫌い』
「好き…嫌い…好き…嫌い…」
花びらを一つ摘んでは千切り。
隣を一つ千切り。
また一つ。
「花占い? 珍しいことするね」
「嫌い…好き…」
「綺麗な花だね。マーガレット、だっけ?」
「ちょっと離れててよ」
「いいじゃんか。見てるだけなんだから」
「気が散るんだよ……。って、やばっ」
「どうかした?」
「次がなんだったか忘れた……。
最後どっちだったっけ?」
「ちなみに、聞かれてもこっちも覚えてないからね」
「邪魔されただけかーい!!
っく…、思い出せそうで思い出せない……!」
「ごめんって。
……ところで、何を真剣に占ってたの?」
「それは…、
……………秘密」
まだ半分花弁を残した、白いガーベラが宙をふわりと舞った。
6/12/2024, 4:42:12 PM