「あ〜席離れちゃったね」
「ホントだ。逆に今までが奇跡だったからね。」
今までの席替えではずっと彼の隣が私の席だった。
離れたと言っても彼は斜め前の席で案外近い席だった。
彼は私と目が合うと席が離れていても
決まって手を振ってくる
授業中に目が合うと
「バーカ」なんて口パクで言ってくる
そんな彼にいつも間にか惹かれていた。
ずっと隣の席だったから気づかなかったけど
隣の席じゃないとこんなにも話せないことに気づいた。
授業終わり先生が私の名前を呼ぶ。
「はい」
そう言って先生の元に向かうと
「放課後荷物運び手伝ってくれ」ということだった。
最悪,今日は友達と
カラオケ行く予定だったのにと思いながら
「わかりました」そういった。
「ごめん。今日のカラオケ行けなくなった。
先生に呼ばれちゃったんだよね。だから今度行こ!」
彼女たちは
「え〜そっか。先生に呼ばれるってなんかしたの?笑
絶対行こうね!」
明るく返してくれたので安心した。
「悪いなぁ」と言いながら隣を歩く先生に思わず
「こんなに荷物があるとは思いませんでした。」
そんな言葉が出聞きそうだった。
想定していた時間よりも遅くなり陽が傾いてきていた。
そんな教室には私が想っている彼が居た。
「なんでこの時間までいるの?」
「鍵閉めんの今日は俺なんだよね」
「えっめっちゃごめん。遅かったよね。」
「大丈夫だよ。その代わり一緒に帰ろ。」
「そんなんでいいの?」
「うん。じゃあ早く帰ろ」
そう言って彼は教室に鍵を閉めた。
さっきまで日が傾いていた太陽は
いなくて暗くなっていた。
多分一緒に帰ろうそう言ってくれたのは
彼の優しさなんだろう。
そんな気遣いができるところが好きだ。
「一人で帰らせないように気遣ってくれたんだよね?
ほんとにありがとう」
「あーそれもあるけど、
俺が普通に一緒に帰りたかっただけ。」
「なんで?」
「好きだから」
彼から発せられた言葉に私は思考停止する。
「あっえっと告白された?」
「したよ笑」
優しい顔で顔をま覗き込む彼は
私の心臓の拍を早くさせた
「私も...好きだよ」
そういう私はきっと真っ赤な顔をしているだろう。
周りが暗くて助かった。
彼もきっと赤い顔をしているだろう。
暗くて見えないけど。
「良かった〜」
そう言いながら手を恋人繋ぎにしてくる彼は
私の心をずっと離さない。
「ずっとこのままで居ようね」
そう言って彼を見ると
「当たり前じゃん」
そう返してくれる彼が好き
わがままかもしれないけど、
ずっとこのまま彼の隣を歩かせて欲しいな
─────『ずっとこのまま』
1/12/2023, 8:00:58 PM