ゆらゆらと布が揺れ体が濡れる。夜の海へ行こうと思ったのに理由は無い。 ゆっくりゆっくり足が前に進んで行く。ポケットに入っている石がカチカチとぶつかり音が静かな浜辺に響く。 肩辺りまで浸かっただろうか、不意に足が滑りザボンと体が全身海に浸かる。貴方だ。貴方が居る。ゆっくりゆっくり私の顔に手を近づけグイッと引っ張り顔を近づける。「愛している」不意に口から零れたそれはゴボゴボと波に乗って消えた。
8/23/2023, 11:13:38 AM