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「カラフル」

 どうにも走り出したいような高揚感が身体の中を駆け巡っていた。私は今日、大きな決心をしたのだ!
 窓の外の強い風も、今朝の鬱屈とした雨も、もう気にならない。私の胸中はこの極彩色に染まりきってしまった!可愛くもない、乱雑にものが置かれた部屋。積み上がった教科書と本。もう日付を超えそうな時計。何もかもが可能性に満ちているようで仕方がない。私にはやるべき事があるのだ。誰が何を言おうともやり遂げねばならない。きっとあの日の朝焼けのように清々しい光が待っているに違いない!もう走り出してしまった。夜を追い越して、明日すらももう追いつくことができない。カラフルな私の想像力は膨らみに膨らんでぼかぼかと部屋を埋め尽くす。いつしか部屋には留まっていられずに廊下へ、居間へ、道路へと飛び出していく。この町を埋め尽くすカラフルは私の希望。飛び跳ねて町をかけるガラス瓶は私の身体。むくむくと溢れていく光を集めて、集めて、閉じ込めてやる。飽和した瓶を飲み干して、また光を集める。街をかける私の身体はとどまることを知らない。なんと美しい世界!こんなにも希望に満ち溢れているというのに今まで私は何をしていたのだろう!明日の朝日を拝んだら、今日もまた私はこの町を駆けるのだ。

「カラフル!」

5/1/2026, 2:42:10 PM