hachi

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次男は美術部に入っている。
話を聞いてみると、かなり自由なスタイルのようで、まず部活に来るも来ないも自由。みんな好きに来て、思い思いに絵を描いて、満足したら勝手に帰っていくというのだ。

なんて素晴らしい部活だろう。夢みたいだ。そう言うと、次男もこの部活に満足していると言った。彼は私によく似ているところがある。

対して夫は根っからの体育会系だ。彼にとって、「全員一丸となって」「チームを勝利に導く」といったことはとても重要で、青春時代のアツい思い出を今も大事にしている。

この間テレビでアツい部活動の特集が流れていた。夫は喜んで観ていたが、私は実はそれを直視できない。
私は今まであんなふうに集団の中に入っていたことなんてない。息を合わせることもできないし、一丸となってなんて、とても無理だ。
隣を見ると、次男もテレビを直視していない。

あの騒がしい集団の中は、どうなっているのか、やっぱり楽しくて、光が溢れているんだろうか。この子もまた、静かな自由を愛しながらも、あの光に強く憧れているのだろうか。

自分はこれでいいのだと、もう何十年も自分を励まし続けてきたけれど、こういう映像を突き付けられると、やっぱり胸がざわざわとしてしまうのだ。


『部屋のかたすみで』
(前回のお題ですが…(・・;))

12/9/2022, 8:41:36 AM