歩夢

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これが右、こっちは左
右手に持ったのがお箸、左手に持ったのがお茶碗
おみそ汁はふぅと冷ましてから口をつけるのよ。

夏は虫かご、麦わら帽子、真っ赤なほっぺ、
かがんで虫さされをぽりぽりと掻いてると思いきや
次の瞬間にはきゃーっと声を上げて走り去る

小さな手のひらの汗のにおい
眩しいひだまりを両手で抱きしめたような柔らかい体温
沢山の外の香り、小さな身体が見つけてきた沢山の世界の欠片

お帰り、ただいま、今日ね、あのね、あのね
見つけてきたものぜんぶ
まるで宝物でも見たように一生懸命伝えてくれるから
ぴょんぴょんと跳ねるから


ランドセルが歩いてるような後ろ姿を
なんども振り返っては手をふる姿を
もうなにをしたって二度と見送ることの叶わない思い出だとわかっていても


「たとえ間違いだったとしても」


理不尽に奪われた命の代償を
差し違えてでも求めましょう

4/22/2026, 12:02:48 PM