たーくん。

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今にも雨が降りそうな厚い雲が支配された空。
……なんとか、鬼ヶ島から逃げることが出来た。
まさかお供で一緒だった犬、猿、雉が僕を置いて逃げるなんて……。
一緒に戦うって約束じゃなかったのか?
おかげで僕は鬼達に殺されかけた。
『あなた方は鬼達を倒し、ハッピーエンドになります』
鬼ヶ島へ向かう途中で寄った町の占い師にそう言われていたのに、これじゃ真逆だ。
文句を言いに再び町へ行き、占い師の元へ向かう。
占い師は僕の顔を見ると、真っ青な顔をして震える。
「ああ……なんてこと……。何者かがこのお話を改変している……もう終わりだ……」
そう言うと、占い師は慌てて去っていった。
意味が分からず、僕は去っていく占い師の後ろ姿を見ることしか出来ない。
……帰ろう。お婆さんとお爺さんの元へ。
鬼達をこらしめると意気込んで家を出たのに、逃げ帰ることになろうとは。

家へ向かう途中、道に大きな足跡がいくつもあった。
嫌な予感がし、急いで家へ向かって走る。
「……え」
家を見て、唖然とする。
家は潰されていて、近くにお婆さんとお爺さんが血だらけで倒れていた。
呼びかけても反応はなく、息をしていない。
おそらく、鬼達の仕業だろう。
お婆さんとお爺さんを殺すなんて……。
許さない……許されるものか……絶対に……!
これも全て、逃げていった犬、猿、雉のせいだ。
まずは、あいつらを始末やろう。
フフフ……どうやって始末してやろうかな。
じっくり苦しめながら始末してやるか。
腰に付けていた鞘を強く握る。
ぽた……ぽたぽた……。
空の厚い雲から雨が降ってきた。
鞘から刀を抜き、再び来た道を駆けていく。
僕はいつの間にか、復讐の鬼となっていた。

3/29/2026, 10:10:46 PM