Frieden

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「枯葉」

ざくざく、さくさく。
枯葉を踏む自分の足音を聞きながら、静かな冬の自然を歩く。
歩きながら、いろんなことを考える。

最近人からもらった言葉の意味
社会問題の寄せ集めみたいな自分の人生
新しいものと古いもの

ぼんやりと考え事をしている僕の前に、
ひらりひらり、ゆっくりと一枚の枯葉が落ちてきた。

枯葉。寒い季節の訪れを知らせる、がさがさでくすんだ色の手紙。植物が最後に遺した落とし物。

多くの植物は春に芽吹き、夏に育ち、秋に染まり、冬に枯れる。
だからこそ枯れた葉は冬のもの悲しさや老いの象徴だったりする。

たしか10何年か前までは高齢者が運転する車に枯葉マークが貼られていたけど、枯葉へのネガティブなイメージが強いから今は四葉のクローバーに変わったんだったっけ。

寒い季節は太陽が顔を覗かす時間も少ないから、みんな憂鬱になりがちだ。それをわかりやすくあらわすものが、枯葉。

だけど、ほんとうにそうだろうか。
冷えて乾ききった、悲しいだけの存在?
きっとそんなことはない。

世界は少しずつ、少しずつ生まれ変わる。
それが嬉しいことか、悲しいことかはひとそれぞれ。
だが、冬が訪れ枯葉が舞ったということは、いずれ春が、色とりどりの花や鳥が人の心を彩り暖める季節がやってくるということだ。

そういう星の理の中で僕らは生きている。

枯葉は最期にそう教えてくれた。

2/20/2024, 3:50:03 AM