M.IZRY−I'm little cat.

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明日に向かって歩く、でも
↑タイトル関係なくなっちゃった…かも……

───
何故かわからないけど、異世界という所に来てしまった。
右も左も分からない。
よくある"神様転生"みたいに事前説明なんて無かった。

けれど僕は運が良かった。

僕がいたのは騎士団の巡回ルートだったらしく、僕のことを拾ってくれた。
まあ、当分の間は事情聴取とかで戸籍とかその他諸々で詰められるだろうな……

一体どうして僕はこんな所に来てしまったのだろうか。

トラックに轢かれたとか、飛び降りたとか、踏切を渡ったわけでもない。
歩きスマホして電柱にぶつかって、前を見たら木が。え?

慌ててマップアプリを開いたけれど真っ白。

更には見たことない ─鹿のような角を持った猪のような─動物がこちらを"つぶらなひとみ"で見ていた。
……撫でようとしたら角ではたかれたが。

「……さて 現実逃避はそこまでにしましょうか?」

「貴方には "亡命罪" の容疑がかけられています。」

身に覚えのない、聞いたことのない罪状に問われている。
僕を見る厳つい騎士団長さん ─ケモミミは無かったけど尻尾が付いてる!しかもモフモフ─ の目はかなりきつい。

亡命って、国から逃げることでしたよね……たしか。
なぜこんなにも重罪を犯したかのような雰囲気で、あたかも僕が大罪人であるかのような視線を向けられているのだろうか。

「つきましては 暫くの間この"中間塔"に滞在してもらいます。司教代理様がお着きになり次第 貴方への審問が開始されます。」

"司教" "代理" "様" !!!
なんだかとても偉そうな肩書の方が来られるそうだ。

それにしても"司教"とは。
こう言うのって弁護士的な法律の人が来るものでは無いのか……?

それに取り調べじゃなくて"審問"……
いちいち言い方が凄く怖い。

その人が早く来て欲しいとも思うけど、来ないで欲しいとも思う。

「非常事態なので恐らくは4日後の昼あたりにお着きになるでしょう。心の準備を お願いします。」

それにしても

「それでは着いてきてください 貴方の部屋まで案内いたします。」

この人

「さあ お手を」

さっきから尻尾が千切れんばかりに揺れている。

1/20/2025, 10:21:10 PM