そら豆

Open App

「お前はもう行くのかい?」
婆さんが俺に声かける。あんま長くいられねえよ。
「まぁな。俺にもいろいろやんなきゃだし。」
「そうかい。ケガの調子も良いのかい。」
「当たり前だ。あんたの治療がよく効いたみたいだ。」
婆さんは微笑んだ。そろそろ行かないとな。
「じゃあな。いろいろありがとう。」
俺はすっかり治った翼を広げる。
「じゃあね。ケガしたらまたおいで。」
「俺はそんなヘマをしねえ。」
俺は婆さんに言う。俺は力を入れて羽ばたく。風を切る感覚が伝わる。大空を飛ぶ俺を婆さんはずっと見ていた。
「おや、あの羽根は。」
俺の羽根がひらひらと空に浮かんでいた

10/26/2025, 9:50:30 AM