「愛言葉。これは造語ですか」
ンㇽバヤの問いかけの発生源に目をやると【21世紀極東電子音楽集IV】のタイトルが光電子ジュークボックスのパネルにチカチカと瞬いていた。
今はENGLISHが地球人類の共通会話言語なのに、系外惑星出身の彼女は地球の地方言語も習得したいと毎日あれこれ積極的に文化教材を触っている。最近は音楽を聴くのが面白いらしい。
「21世紀って!また古いの探してきたね」
「チロカㇽ…淡黄褐色ハツカネズミの脈拍のように早い拍子の曲が多くて、飽きません」
パネルに手を置き、耳下のインナーホンを同期させるとすぐに私の耳にも賑やかな音が流れ込んできた。視界に映った歌詞字幕を確認する。
「そうだね。愛言葉…感謝や親愛を相手に伝える言葉、といった意味なのかな」
「愛の、言葉」
確証はないけれど、日本語ならきっと合言葉(password)との言葉遊びの意味合いも掛けられていて、二人だけのとても親密なやり取りを歌っているに違いないと補足すると、ンㇽバヤは嬉しそうに微笑んだ。
「かつての地球人も愛情深く暮らしていたのですね」
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「愛言葉」
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所感:
「愛言葉」といえばDEKO*27。無印からIVまで全部好き。今年、2022年は初音ミク生誕15周年…ってそうか!今の中高生はもうボカロネイティブ世代なのですね。
10/27/2022, 9:40:15 AM