【秋の訪れ】
我が家の簾をひらりと揺らして、
きみが家の中を走り回る。
縁側に吊るした干し柿をつまんで、
囲炉裏の起こした炎を消して、
七輪で焼く魚の匂いに釣られてくる。
きみはいつもこの季節にやって来る。
私が寂しくないか確かめるように…。
そんな優しい子を我が子に持てて、
私は本当に、本当に幸せでした。
惜しむらくはきみの大人の姿を知らないこと。
それでもきっと、あなたは優しく思いやりのある、
素敵な男性に成長したのでしょうね…。
私の好きな赤いコスモスの花を持って、
あなたが手を引くあなたの子を…私の孫を、
毎年毎年こうして会わせてくれるのだから。
10/1/2025, 3:41:11 PM