**「最後まで共に」**
荒れ果てた戦場。砂ぼこりが舞い上がり、夕日に照らされた大地は不気味な静けさに包まれていた。カイと彼の仲間たちは、激しい戦いの末に勝利を手にしたものの、代償は大きかった。彼の仲間、リアが倒れ、肩で荒い息をしている。
「リア、大丈夫か?」カイは彼女の元に駆け寄り、その肩を支える。
リアは弱々しく笑い、「平気…少し休めば立てるよ」と答えたが、彼女の目には限界が見えていた。
その時、彼らの背後に残りの敵が現れた。数は少ないが、リアの今の状態では再び戦うのは無謀だ。仲間たちは不安そうな表情を浮かべ、動揺が広がる。
リアはゆっくりと立ち上がろうとしたが、足が震えて力が入らない。「…カイ、もう無理かも…」
その言葉にカイは黙り込んだが、すぐに決然とした表情を浮かべた。「無理しなくていい。俺がフォローするから、任せておけ。」そう言って、彼はリアを後ろに下がらせ、剣を構えた。
敵がじりじりと近づいてくる。緊張が一瞬で高まり、仲間たちも戦闘態勢に入る。だが、リアはまだ迷っているようだった。
「カイ、私…本当に立ち向かえるのかな…?もう、力が残ってない…」
カイは彼女の方を見つめ、真剣な表情で答えた。「一緒にここまで来たんだから、最後まで一緒にやり遂げよう。お前が諦めるなら俺も諦める。でも、そうじゃないなら、俺も全力で戦う。」
その言葉に、リアの瞳に光が戻った。カイの確信に満ちた言葉が、彼女の心に火を灯したのだ。
「失敗したっていいさ。大事なのは、立ち上がることだろ?」カイは優しく微笑みながら言った。「ここで止まってしまったら、それこそ意味がない。」
リアは震える手で剣を握りしめ、頷いた。「そうだね、ありがとう、カイ…。」
敵が一斉に襲いかかってきた。カイは剣を振りかざし、次々と敵を撃退していく。その隣で、リアも必死に剣を振るう。彼女の体は限界に近いが、心の中には燃え上がる決意があった。
カイは仲間たちにも声をかける。「俺がここにいる限り、絶対に諦めさせない。」その言葉に仲間たちは勇気を得て、戦いの勢いを取り戻していく。
戦いが終わったとき、辺りには静寂が戻っていた。最後の敵が倒れると、カイは疲れた体を引きずりながらリアの元に戻った。リアも戦い抜いた後、肩で息をしていたが、その表情には達成感が漂っていた。
「無理させてしまったな、リア…」カイは彼女の肩を支えながら苦笑した。
「いいんだよ。あなたがいたから、最後まで頑張れたんだ。」リアは微笑み返し、カイに感謝の気持ちを伝えた。
10/4/2024, 2:12:54 PM