小音葉

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澄み渡る空に怯えた
逃げ惑う果てに空を失くした
救済ならば不朽の檻を
この身を縛るものはもはや、それだけで良い

射抜くような瞳をして、あなたは何も責めようとしない
その高潔で私を殺める
見飽きた悪夢は私を責めない
いつまでも美しいあなたを繰り返し殺める
見透かした素振りで微笑む顔が憎らしくて
その傲慢を私は責める
軋んだ誓いが悲鳴を上げて、口を覆うから喉を突き破る
明滅する砂塵の中、途絶えた想い

星のように、雨のように
私は何を望んだろう
あなたならどう紡ぐだろう
等しく降る光の束、その悉くを捧げられたなら
弾ける間際まで共に揺蕩えるだろうか
同じ一筋を見つめるあなた
分からないけれど、分かりたい
分かりたくなくとも、分からねばと望む

もう失わない為に
殺めることを強いられない為に
故に私は手放そう
抱いて生まれた願いを、ここに

変わらない空が私を迎える
遥か時を繋ぎ今もそこに在る
初めから救済など必要なかった
肩を並べる刹那、見慣れた筈の微笑み
あんなに美しいなんて、知らなかった

(永遠なんて、ないけれど)

9/28/2025, 12:10:55 PM