『ないものねだり』
「花粉のない世界に生まれたかった」
早朝の玄関先。マスクの下でひっそりと鼻水を垂らしながら思っていたことが口に出た。山沿いに暮らしているので花粉の出どころである針葉樹は目と鼻の先にそれこそ山ほどあり、今は涙と鼻水が止め処無く出てくる季節の真っ只中だ。どうしてスギやヒノキはあるのだろう。どうして今日も外へ出かけないといけないのだろう。
生まれる前から山に植わっているスギやヒノキに罪はないし、勤めている会社は在宅勤務に対応していないのでこちらが出向かないといけないのは重々わかっているのだが、毎年一言一句同じことを思っている。
3/27/2024, 4:31:48 AM