市松模様の木漏れ日がオセロのように黒く染まっていき、縄張り争いをする様にハナミズキが白い花びらをぶつけあう。遅れてやってきた梅雨の軍勢が夏の天下に抗っている。首裏から生温い青筋が忍び込み背中を滴り落ちる。慌てて本を閉じて走った。揺れる木陰は黒一色となっていた。題『揺れる木陰』
7/17/2025, 7:37:11 PM