元気かな
「生まれ変わっても一緒にいよう」なんていう遠い約束をした彼は元気かな。生まれ変わって新しい人生を得てもう結婚をできる年齢まで生きたけど、彼らしき人は未だ現れない。もしかすると彼は前世の記憶を忘れているのかもしれない。自分だけが覚えていて律儀に待っているだけかもしれない。それでも、あの垂れた優しい目、少し甲高い声、癖っ毛な彼を頭に描いては自然と頬が緩む。きっと今世は同じそれを持ち合わせて生まれてきてはいないだろうがそれでも良い。私のことを覚えていなかろうがそれで良い。ただ元気でさえいてくれれば良いのだ。元気でさえいれば、必ず見つけ出して私がその元へ走るから。
4/10/2025, 9:31:32 AM