知柳

Open App

『夢と現実』

私は小さな頃から重度の夢女子であった。
某超次元なサッカーから夢が始まり、数々の作品を経由して今はさる海賊の鉤爪の船長に落ち着いている。

支部や某占いサイトでありとあらゆる最推し達と大恋愛の末に結ばれたり結ばれなかったりした。

某超次元なサッカーの世界では仲間の一員になって世界最強のチート能力持ちとして一緒に冒険をした。

某ひとつなぎの大秘宝の世界では、これまた全ての実の能力が使え、覇気も全種類習得しているる最強の海賊として主人公の仲間になったり、白い髭の人の所の家族の一員になったり、海軍として奮闘した。

某ポケットなモンスターの世界では、モンスター達と会話出来るという設定でチャンピオンを目指したし、邪神に呼び出されて元の世界に帰る為に奮闘したし、カラシ師匠の道場の入門者としてまったり修行をした。

最近では支部で捻れた世界で踊ることが多い。
ありとあらゆる登場キャラ達と恋に落ち、時には元からキャラの婚約者として活躍し、時にはキャラ達と怪異に巻き込まれてスレ立てをし、時には悪女に謀られて嫌われたり嫌われなかったり、元の世界に帰ったりなどした。

そして今現在最推しとして据えている某夢の国の鉤爪船長とは、私が夢の国に遊びに来て出会えた時にどんな反応するかを妄想して楽しんでいる。勿論大恋愛の末に結ばれたりも忘れない。

数々のキャラ達から「ふーん、おもしれぇ女」の称号を頂戴した美魔女がこの私なのだが、現実ではどうだろう。

まずそもそも、愛した男たちは鉤爪船長意外画面から出てくることも無く恋愛のれの字もない。
唯一会える系最推しである鉤爪船長に至っても、目の前にするとたちまちド緊張のあまり口の中が一瞬でカラカラに乾いて足がすくみ、好きとしか考えられなくなって言葉も出なくなる。
夢の中ではあんなにもハグをしたり、ぺちゃくちゃお喋りをしたりするのに、現実の私は少し遠目から眺めているしか出来なかった。

容姿だって、夢では100人中100人が振り返るほどの美人かカワイイ系だったが、現実では自分磨きなどこれっぽっちもしていないが故に至って平凡な顔つきで、体だって至る所をかき壊してしまっているから汚いものである。

夢の中の私は、私のこうなりたいの理想である。
私は今、鉤爪船長が目の前にいても億さず話せるくらいになりたい。ハグだってしたいし、手を取ってエスコートして貰えた人が羨ましいとまで思う。

そんな理想を、私は今日も夢見続ける

12/5/2022, 2:03:02 AM