「おはよー」
いつものざわめきとともに肩をぽんと叩かれ僕は振り向く。そこには顔に満面の笑みを浮かべる彼女が立っていた。
「おはよう。今日も元気そうだね」
「返信が近所のおじいちゃんか」
ケラケラと笑いながら隣を歩く彼女に僕は目を細める。
5月のくせに青空が少なくても彼女の笑顔があればなぜか晴れやかな気持ちになる。
「君は7月が似合いそうだね」
夏のひまわりみたいだと思いそうつぶやくと彼女は大きな瞳をまんまるに開けた。
「どゆこと?夏が似合う的な?」
「うん」
コクリと肯定するように首を動かすと、にまぁっと彼女の口角が上がった。
「やだぁ照れちゃいますよぉ。そんな笑顔が輝いていて眩しいなんて言われても」
「そこまではいってないよ」
即座に突っ込むとツボが浅い彼女のツボに入ったようで笑いが溢れている。
「…そういえば、今日から半袖なんだね?」
そう違う話題を渡すと笑うのをやめた彼女が笑みを深める。
「そうなのです!どうですかぁ?夏が似合う女に似合ってるでしょ」
その場でくるりとポニーテールをひるがえして笑う彼女はとても眩しかった。
「うん、似合ってる。基本似合ってるけど特に」
そう返すと彼女は勢いをなくして僕の肩に顔を埋めた。
「きみさぁ…そうやって急に刺してくるのやめよ?私の心臓に悪いんよ。この天然褒め上手」
僕は身に覚えがないためキョトンとしているとドスッと一撃を食らった。解せぬ。
「まぁ嬉しいけどね。ありがと!」
少し照れたような横顔の彼女を今日も微笑ましく思う。
周囲を歩いていたサラリーマン
「……せいしゅんだなぁ…」遠い目
犬の散歩をしてたおじーちゃん
「ほっほっほ。ばぁさんにあいたくなるのぉ」
二人のクラスメイト①
「まだ付き合ってないんだよなぁ…信じられねぇー」
二人のクラスメイト②
「は!よ!付き合えーー」
#半袖
5/28/2024, 10:30:10 PM